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複合動詞 文型用例集 さ〜そ

サ行 目次
さえる  冴えきる 冴え渡る   (冴え返る) さがす  探し当てる 探し出す 探し回る 探し求める  (探しあぐねる) さく   咲きそろう 咲き誇る 咲き乱れる       (咲きこぼれる 咲き初める 咲きにおう 咲き残る) さぐる  探り合う 探り当てる 探り出す 探り回る   さけぶ  叫び出す  (さげる  下げどまる 下げ渡す) ささえる 支え合う  (ささくれる  ささくれ立つ)  (ささげる  捧げ持つ)  (ささやく  ささやき合う ささやきかける)   さす   刺し殺す 刺し通す  (刺し違える 刺し貫く)  さす   差し上げる 差し入れる 差し置く 差し押さえる 差し替える      差し掛かる 差し掛ける 差し込む 差し障る 差し迫る      差し出す 差し支える 差し出る 差し止める 差し伸べる      差し挟む 差し控える 差し引く 差し向ける 差し戻す       (差し入る 差しかざす 差し勝つ 差し交わす 差しきる        差し立てる 差し違える 差し遣わす 差し付ける 差し招く        差し回す)  さそう  誘い合う 誘い合わせる 誘い入れる 誘いかける 誘い込む      誘い出す    さびる  さび付く  (さまよう  さまよい歩く) さわぐ  騒ぎ出す 騒ぎ立てる 騒ぎ回る  しかる  叱りつける 叱りとばす しく   敷き詰める  (敷き写す)   (しげる  茂り合う) しずまる 静まり返る しずむ  沈み込む  (したたる  滴り落ちる)  (したてる  仕立て上げる 仕立て直す)  (しなだれる  しなだれかかる) しぬ   死に急ぐ 死に遅れる 死にかかる 死にかける 死に損なう      死に絶える 死に別れる   (死に変わる 死に果てる) しのぶ  忍び入る 忍び込む 忍び泣く 忍び寄る  (忍び出る) しばる  縛り上げる 縛り付ける しぼる  絞り上げる 絞り込む 絞り出す 搾り取る  (絞り尽くす) しまう  しまい込む しみる  染み込む 染みつく 染み通る       (染み入る 染み出す 染み出る 染みわたる)  しめす  示し合わせる しめる  締め上げる 締め・閉め切る 締めくくる 絞め殺す 閉め出す      締め付ける   (締め直す) しゃがむ しゃがみ込む しゃべる しゃべり出す しゃべりまくる  (しゃべり散らす)    (しゃぶる  しゃぶりつく)  (しゃれる  しゃれ込む)  (しょう  背負い込む)   (しょうじる  招じ入れる)  (しょげる  しょげ返る しょげ込む) しらべる 調べ上げる 調べ直す 調べ回る しる   知り合う 知り尽くす 知り抜く しれる  知れ渡る しんじる 信じ込む すう   吸い上げる 吸い込む 吸い出す 吸い付く 吸い付ける      吸い取る 吸い寄せる すえる  据え置く 据え付ける  (据えかねる) すがる  すがりつく すぎる  過ぎ去る 過ぎゆく すく   好き合う 好きこのむ すく   透き通る  (透き通す)  (すく  漉き返す 漉き込む)  (すく  鋤き起こす 鋤き返す 鋤き込む)  すくう救 救い上げる 救い出す すくう  掬い上げる 掬い取る  (掬い出す)  (すくむ  すくみ上がる)  すげる  すげ替える すすむ  進み出る すする  啜り上げる 啜り泣く  (啜り込む)  すてる  捨てきる 捨て去る  (捨て置く)  すべる  滑り落ちる 滑り降りる 滑り込む 滑り出す 滑り出る        (滑り入る)  (すべる  統べ括る)  すむ   住み替える 住み替わる 住み込む 住み着く 住み慣れる すむ   澄み切る 澄み渡る  する   仕上がる 仕上げる し終える し掛かる し掛ける       しかねる し損なう し損じる し出す し尽くす      し付ける し遂げる し直す し慣れる し残す        (仕入れる 仕返す 仕切る 仕組む しこなす 仕込む し済ます         仕立てる 仕止める 支払う 仕向ける 仕分ける)  する   刷り込む する   すり下ろす すり替える 擦り切る 擦り切れる すり込む      すりつける すりつぶす すり取る 擦り抜ける      すり減らす すり減る すりむく すりむける すり寄る       (擦り寄せる)     (ずる  ずり上がる ずり落ちる) すれる  擦れ合う すれ違う ずれる  ずれ込む すわる  座り込む せおう  背負い込む   (せく  咳き込む) せく急  せき立てる  (せき込む)  せく   せきとめる  (堰あげる)   (せまる  迫り来る)  (せめぐ  せめぎ合う) せめる  攻め合う 攻め入る 攻め落とす 攻めかかる 攻めかける      攻め込む 攻め立てた 攻め抜く 攻め上る 攻め滅ぼす      攻め寄せる 攻め寄る  (攻めあぐむ 攻め付ける 攻め取る) せめる  責め合う 責め落とす 責めさいなむ 責め立てる 責め付ける せる   競り合う 競り上げる 競り落とす  (競り勝つ 競り負ける)   せる   迫り上がる 迫り上げる   (迫り出す)   (せんじる  煎じ出す 煎じ詰める)   (そう  添い遂げる)  (そぐ  削ぎ落とす 削ぎ取る)  (そげる  そげ落ちる)  そそぐ  注ぎ入れる 注ぎ込む   (注ぎかける)  (そそる  そそり立つ そそり立てる) そだてる 育て上げる そなえる 備え付ける  (備え持つ) そびえる そびえ立つ そめる  染め上がる 染め上げる 染め出す 染め付ける 染め直す      染め抜く 染め分ける  (染め変える 染め返す) そる剃  剃り落とす   (剃り上げる 剃り込む) そる   反り返る   (ぞんずる 存じ上げる) 複合動詞一覧表へ

さえる
[さえきる] 人・ものガ ・かれの論理はじつに冴えきっている。 ・今日の監督は冴えきっている。打つ手、打つ手がピタリと当たる。 [さえわたる] 人・ものガ ・秋のそらに月が冴えわたっている。 ・今日の彼女は冴え渡っているね。やることなすこと、最高だ。
さがす
[さがしあてる] 人ガ ものヲ  ・住所と地図を頼りに、やっとその家を探し当てた。 ・警察は犯人の隠れ家をついに探し当てた。 [さがしだす] 人ガ ものヲ ものカラ ・この人ごみの中から一人の人間を捜し出すなんて、無理にきまっていますよ。 ・机やロッカーの中を引っかき回して、やっと金庫の鍵を探し出した。 [さがしまわる] 人ガ ものヲ  ・森の中で子供とはぐれた母親は、必死になって子供を探し回った。 ・ある本を古本屋で探し回って、とうとう見つけた。 [さがしもとめる] 人ガ ものヲ ・出版社が若くして亡くなった作家の未発表の作品を探し求めている。 ・永遠の恋人を捜し求めて旅を続ける王子の物語。
さく
[さきそろう] ものガ 所ニ ・庭には母の植えたたくさんの花が咲きそろっていた。 ・○○家の四姉妹が歩いていると、春の花が咲きそろっているようだ。 [さきほこる] ものガ ・大きな赤いバラが一輪、他の花を見下すかのように咲き誇っていた。 ・戦乱のこの時期に、かえってそれぞれの地方で個性的な文化が咲き誇った。 [さきみだれる] ものガ 所ニ ・色とりどりの花が野原に咲き乱れている。 ・コスモスが庭一杯に咲き乱れているが、それを植えた人はもういない。
さぐる
[さぐりあう] 人ガ 人ト ものヲ  ・二人はお互いに相手の考えを探り合っていた。 ・相手に与えたダメージがどのぐらいのものか、お互いに探り合っていた。 [さぐりあてる] 人ガ ものヲ  ・宝物の隠し場所を探り当てた。 ・彼女の正体を探り当てたつもりだったが、それもまた偽りの姿だった。 [さぐりだす] 人ガ ものヲ  ・彼女がどこに住んでいるのか、長い間謎だったが、とうとう探り出した。 ・歴史の中に隠されていた事実をとうとう探り出すことができた。 [さぐりまわる] 人ガ ものヲ ・家じゅうを探り回って、ついに屋根裏に隠されていた書類を発見した。 ・人のプライバシーを探り回るいやな連中がたくさんいる。
さけぶ
[さけびだす] 人ガ  ・お化け屋敷に入ってみたら、怖くて怖くて、叫びだしそうになった。 ・ちょっと怖い映画を見ますが、怖い場面で叫びだしたりしないで下さいね。近所の人が  何かと思いますから。
ささえる
[ささえあう] 人ガ 人ト ・年をとった夫婦が支え合って生きている。 ・左右の構造物が互いに支え合う構造になっている。
さす刺す
[さしころす] 人ガ 人・ものヲ  ・父は酒をのんだ時にケンカをして刺しころされたのです。 ・浮気をした夫を妻が包丁で刺し殺したそうだ。君も気をつけたほうがいいよ。 [さしとおす] 人ガ ものヲ  ・ここにあながあいています。長い針で刺しとおしたのでしょう。 ・この厚い生地は針を刺し通すのが難しい。
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さす差す指す
[さしあげる] 人ガ 人ニ ものヲ      「あげる」の敬語表現は別 ・両手を高く差し上げて、喜びを表した。 [さしいれる] 人ガ ものヲ ものニ ・あなの中に手を差入れたら、中にいた動物に手をかまれた。 ・遅くまで残業をしている連中に飲み物とサンドイッチを差し入れた。 [さしおく] 人ガ 人ヲ  ・より重要な問題を差し置いて、なぜこんなことから話題にするのか。 ・亡くなった人の遺族を差し置いて会社の人間があれこれ言うのは見苦しい。 ・この私を差し置いて、誰が主役をやるというのか。 [さしおさえる] 人ガ ものヲ  ・ローンが払えなくなって、家を差し押さえられた。 ・月給を差し押さえるなんてひどいじゃないか。家族はどうやって暮らすんだ。 [さしかえる] 人ガ ものヲ ものニ/ト ・この例文はよくないから、他の例文に差し替えよう。 ・花瓶の花がしおれてきたので、新しいものと差し替えた。 [さしかかる] 人・ものガ ものニ   ・夜行列車は峠にさしかかっていた。 ・わたしたちがようやく林に差しかかろうとした時、きゅうにはげしい雨がふり始めた。 ・事件の捜査はいよいよ山場に差しかかった。 ・今は家族のあり方の新たな時代にさしかかっているのだろう。 [さしかける] 人ガ 人ニ ものヲ  ・「濡れますよ。」と言って、彼女は客に傘をさしかけた。 ・隣の家の大きな木が我が家の庭に枝をさしかけていて、いい木陰を作っている。 [さしこむ] ものガ ものニ ・冬の日が部屋に差し込んでいて、とても気持ちいい。 ・そのコードをコンセントに差し込んで下さい。 [さしさわる] ものガ ものニ ・そんなことを言うと、いろいろ差し障るから、あなたは黙っていてください。 ・今回の私のミスが仕事の進行に差し障るようなことがあったら申し訳ない。 [さししめす] 人ガ ものヲ  ・太郎は、「あの光るのがあぶくま川です。」と指で指し示した。 ・技師は、メーターの指し示す数字から機械の状態を知ることができるのです。 [さしせまる] ものガ  ・この金の返却は、まだ差し迫った話ではないから大丈夫だ。 [さしだす] 人ガ 人ニ ものヲ  ・えらい人と握手をするとき、手を差し出すタイミングがむずかしい。 ・社員から部長に差し出された文書には、会社にたいする要求がいくつも書かれていた。 [さしつかえる] ものガ ものニ ・明日の仕事に差しつかえるから早めにマージャンを切り上げた。 ・子供の勉強に差し支えますから、テレビの音は小さくして下さい。 [さしでる] 人ガ   (名詞の前に置く形がふつう) ・私のような者が差し出たまねをして済みません。 ・部局が違うんだから、人の仕事に差し出たことをするな。 [さしとめる] 人ガ ものヲ  ・党の本部は、批判記事を書いた新聞記者の出入りを差し止めた。 ・首相のプライバシーを侵害しているとして、出版物が差し止められた。 [さしのべる] 人ガ 人ニ ものヲ  ・彼は天に祈るように、空に向かって両手を差し伸べ、願いの言葉を口にした。 ・地震の被害者に救援の手を差し伸べた。 [さしはさむ] 人ガ ものニ ものヲ  ・部外者が内輪のことに口を差し挟むのはやめてほしい。 ・彼女の言動には、何ら疑いを差し挟む余地がない。 [さしひかえる] 人ガ ものヲ  ・これからはお酒は差しひかえたほうがいいでしょう。 ・この件に関しては、意見や問い合わせは差しひかえてください。 [さしひく] 人ガ ものカラ ものヲ  ・売り上げから経費を差し引くと、たいして残らなかった。 ・字の汚なさを差し引いても、内容のよさで十分合格です。 [さしむける] 人ガ ものヲ 所ニ  ・ホテルの玄関でお待ちください。車を差し向けます。(玄関に) ・王は辺境の地を平定するために兵を差し向けた。 [さしもどす] 人ガ ものヲ ものニ ・総会は議案の検討が不十分だとして、作業委員会に差し戻した。 ・高裁はその事件を地裁に差し戻した。
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さそう
[さそいあう] 人ガ 人ト ・各国の代表者たちは、お互いに自分の国に来てくれるよう、誘い合っていた。 ・妻は時々近所の奥さんたちと誘い合って映画に行くらしい。 [さそいあわせる] 人ガ 人ト ・みんなで誘い合わせて買物に出かけた。  (誘い合って) [さそいいれる] 人ガ 人ヲ ・新入生を自分たちのサークルに誘い入れる。 ・講師の有り難いお話は、受講者の多くを眠りに誘い入れる結果になった。 [さそいかける] 人ガ 人ニ (文ト/ものヲ) ・いっしょに行こうとクラスのみんなに誘いかけたが、誰も来なかった。 ・身の回りの人に参加を誘いかけたが、だれものってこなかった。 [さそいこむ] 人・ものガ 人ヲ (ものニ) ・怪しい宗教団体が言葉巧みに若者を誘い込んでいる。 ・ここちよい音楽を聴いているうちに、深い眠りに誘い込まれた。 [さそいだす] 人ガ 人ヲ 所ニ ・みなでうまいことを言って、金持ちの息子を飲み屋に誘いだし、金を払わせた。 ・穴の前にえさをおき、小動物を誘い出す。
さびる
[さびつく] ものガ ・海岸の砂を掘ったら、さびついたナイフが出てきた。 ・その建物の裏口は使っていないらしく、鍵がひどくさび付いていた。
さわぐ
[さわぎだす] 人ガ  ・だまされたことに気づいた民衆が騒ぎ出した。 ・反対者が騒ぎ出す前に、議決を取り、我々の案のとおり決定してしまった。 [さわぎたてる] 人ガ ・大学に合格したぐらいのことでそんなに騒ぎたてないで下さい。 ・船で伝染病の病人が出た。船長は、騒ぎたてるお客たちをしずめ、対策を考えた。 [さわぎまわる] 人ガ (所ヲ) ・サッカーの大会で優勝したA大の学生が町中を騒ぎ回っている。 ・当選確実となって騒ぎまわる支援者たちを見ながら、私は当選後が本当に大変なのだと思っていた。
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(しあがる・しあげる→する)
しかる
[しかりつける] 人ガ 人ヲ ・図書館でおじいさんが騒ぐ子供たちを叱りつけた。 ・この子は、いくら叱りつけてもまたいたずらを繰り返す子だった。 [しかりとばす] 人ガ 人ヲ ・村の名物のがんこ爺さんが「ばかもん!」と若い男たちを叱りとばした。 ・子供が悪いことをしたら叱りとばすような、そんなオヤジがいなくなった。
しく
[しきつめる] 人ガ ものヲ ものニ ・ごはんの上いっぱいに海苔(のり)を敷きつめて、その上におかずをのせます。 ・壁をぬる前にへやじゅうに新聞紙を敷きつめた。 ・広い社長室には、赤いじゅうたんが敷きつめてあった。
しずまる
[しずまりかえる] ものガ ・試験中の教室の中は静まり返っている。 ・社長の意外な発言のために会議室の中は静まり返った。 ・静まり返った法廷には判事の声だけがひびいていた。
しずむ
[しずみこむ] 人ガ (ものニ) ・このソファーは柔らかすぎて体が沈み込んでしまい、立ち上がりにくい。 ・ゆみ子は朝から沈み込んでいる。何があったのだろう。 ・新入社員が上司に叱られてしばらく沈み込んでいたが、帰る頃には元気になった。
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しぬ
[しにいそぐ] 人ガ ・むやみにオートバイなど乗り回したりして、そんなに死に急ぐ(=早く死にたがる)こ  とはないだろう。 ・大した挫折も経験せずに、すぐに人生に見切りをつけて死に急ぐ若者が増えた。 [しにおくれる] 人ガ  ・戦争で友の多くは死に、私一人死に遅れて、生き恥をさらしている。 [しにかかる] 人ガ  ・戦争で何度も死にかかったが、絶対に生きて帰ってやると思って生き延びた。 ・神社の長い石段で転び、危うく死にかかった。お賽銭をケチったからかなあ。 [しにかける] 人ガ  ・飼っている犬が病気で死にかけ、子供が大泣きに泣いた。何とか助かった。 ・私はいろいろ病気持ちで、何度も死にかけたが、幸いまだ生き続けている。 [しにそこなう] 人ガ ・30年自転車に乗っていて、一度だけ死に損なったことがある。 ・自殺しようとしたが、薬の分量を間違え、死に損なった。やはり知識は大切だ。 [しにたえる] 人・ものガ ・こんなことを繰り返していたら、人類は遠からず死に絶えてしまうだろう。 ・この種類の虫はもう日本では死に絶えて(=全部死んで)しまったそうだ。 [しにわかれる] 人ガ ・わたしは十才の時に母と死に別れた。 ・夫と死に別れて十年になりますが、今でも夫を愛しています。
しのぶ
[しのびいる] 人ガ  ・草木も寝静まる頃、将軍の部屋に音もなく忍び入る者があった。 ・どこからともなく心に忍び入る疑惑の念を抑えることができなかった。 [しのびこむ] 人ガ  ・家の者が寝静まった頃、泥棒が庭に忍び込んできた。 ・古い家は冷気がすき間から忍び込み、暖房しても温まらない。 ・両者の信頼関係は充分でなく、相手に対する疑いが忍び込む余地がある。 [しのびなく] 人ガ  ・使者を惜しんで、人々の間から忍び泣く声が漏れてきた。 ・大声で泣きわめくより、こらえきれずに忍びなく様子が、一層見る者の心を打つ。 [しのびよる] 人・ものガ ・背後から忍び寄る影に気づき、振り向いて身構えたら、いたずら好きの姉だった。 ・老いが徐々に忍び寄ってくる。大声を出して追い払ってやりたいが、そうもいかない。
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しばる
[しばりあげる] 人ガ 人・ものヲ ・警備員は泥棒をつかまえて縛り上げた。 ・畑を荒らす鹿を捕まえ、縛り上げておいたら、子供たちがかわいそうだと言う。 [しばりつける] 人ガ 人・ものヲ (ものニ) ・泥棒をつかまえて柱に縛り付けた。 ・日本の男の人は女の人を家庭に縛り付けたがる。 ・綱のはしを木に縛り付け、人の背ぐらいの高さにぴんと張った。 ・この学校は学生を縛り付ける規則がたくさんある。
しぼる
[しぼりあげる] 人ガ もの・人ヲ ・政府は国民から税を絞り上げて、ムダなことに使っている。 ・最近、練習がだらけている。今日は部員を徹底的に絞り上げてやろう。 ・精一杯声を絞り上げ、学校のチームを応援した。 [しぼりこむ] 人ガ ものヲ ・何もかもやろうとせず、課題を絞り込んで、それに集中したほうがいい。 ・区域を絞り込んで、徹底的に調査することに決定した。 [しぼりだす] 人ガ ものヲ ・カラカラになったのどから何とか声を絞り出して、助けを呼んだ。 ・新商品の開発は、いかに多彩なアイデアを絞り出すかにかかっている。 [しぼりとる] 人ガ 人カラ ものヲ ・政府は国民から税金を搾れるだけ搾り取ろうとしているかのようだ。 ・毎日運動をしてぜい肉を搾り取りたいのだけれど、その後のビールがうまくて、、。
しまう
[しまいこむ] 人ガ ものヲ ものニ ・古いアルバムは押入れの奥にしまいこんでしまったから、出すのはちょっと大変だ。 ・父は、物が部屋に出してあると汚ないと言って、何でもしまいこんでしまう。
しみる
[しみこむ] ものガ ものニ ・この大根、だしがしみ込んでいて、いい味だねえ。 ・煮物は、長い時間をかけて、ゆっくり味をしみこませることが大切だ。 [しみとおる] ものガ ものニ ・骨までしみ通るような冷たい風だ。 ・心の底までしみとおるような、いい味の酒だ。 [しみつく] ものガ ものニ ・しょうゆをこぼしたら座布団に染みついてしまった。 ・昔の貧しい金銭感覚が染みついていて、高いものが買えない。
しめす
[しめしあわせる] 人ガ 人ト  ・友達と示し合わせて、授業をさぼって映画を見に行った。 ・兄と前もって示し合わせた方法で夜中に家を抜け出し、ゲームセンターで遊んだ。
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しめる
[しめあげる] 人ガ 人ヲ  ・酔っぱらいがからんできたので、柔道のわざでちょっと締め上げてやった。 ・容疑者がなかなか本当のことを言わないので、時間をかけて締め上げたら、とうとう 話し始めたよ。(強く追及する) [しめきる] 人ガ ものヲ  ・そのへやは長いあいだ閉め切っていたので、ほこりが積もっていた。 ・このドアは締め切ります。あちらの出入り口をお使いください。 ・このアルバイトの募集はあと3日で締め切ります。 ・ぼんやりしていたら応募書類の受け付けを締め切られてしまった。 [しめくくる] 人ガ ものヲ  ・そろそろ今日の話を締めくくりましょう。 ・文章は始め方も難しいが、どうやって締めくくるかが難しい。 [しめころす] 人ガ 人ヲ  ・あのやろう、いつか絞め殺してやる!  ・店の主人は何者かに絞め殺されたらしい。  [しめだす] 人ガ 人・ものヲ  ・ああいういいかげんな業者は、この業界から締め出したほうがいい。 ・妻に言わずに散歩に出たら、妻が買い物に出るとき鍵を閉められ、閉め出されてしまった。 [しめつける] 人ガ ものヲ  ・器械のネジがゆるんでいたので、強めに締め付けておいた。 ・あいつら、最近少したるんでいる。少し締め付けてやらないといけない。
しゃがむ
[しゃがみこむ] 人ガ 所ニ  ・急におなかが痛くなって、その場にしゃがみ込んだ。 ・道端にしゃがみ込んでいる子供にどうしたのかと声をかけたら、アリの巣を見ているん  だという。
しゃべる
[しゃべりだす] 人ガ ものヲ ・彼女の言葉をきっかけに、ずっと黙っていた人たちが少しずつしゃべりだした。 ・あの人はしゃべり出すと止まらないから、なるべく話を向けないように。 [しゃべりまくる] 人ガ ものヲ  ・あの人は、ただしゃべりまくれば議論に勝つと思っているようだ。 ・話がうまいのとしゃべりまくるのはぜんぜん違う。
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しらべる
[しらべあげる] 人ガ ものヲ  ・我々はその会社の経営状態を細かいことまで調べ上げた。 ・この件に関して政府が隠している情報を徹底的に調べ上げた。 [しらべなおす] 人ガ ものヲ ・間違いがないか、慎重に書類を調べなおした。 ・この部屋をもう一度調べ直そう。きっとここにあるはずだ。 [しらべまわる] 人ガ ものヲ ・誰かが私のことを調べ回っているらしい。婚約者の親戚だろうか。 ・ネットを使えば、あちこち調べ回ることなしに膨大な情報が集められます。
しる
[しりあう] 人ガ 人ト  ・夫と私が知り合ったのは3年前です。 ・この研究会に出るようになって、多くの研究者と知り合うことができた。 [しりつくす] ・彼女はこの分野を知り尽くしているから、何を聞いても知らないことはない。 ・両チームはお互いの手の内を知り尽くしているので、面白い試合になりそうだ。 [しりぬく] 人ガ ものヲ  ・彼は、この業界のことは隅から隅まで知り抜いている。 ・さすが専門家だ。すべての問題点を知りぬいた上で、対策を立てている。
しれる
[しれわたる] ものガ ものニ ・あなたのことは学校中に知れ渡っていますよ。 ・私の名前は知れ渡っているらしく、どこへ行っても、あの話の男かという顔をされる。
しんじる
[しんじこむ] 人ガ ものヲ  ・彼の話があまりしんにせまっていたので、すっかり信じ込んでしまった。 ・ちょっと冗談で言ったことをみんなに信じ込まれ、あとで訂正するのが大変だった。
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すう
[すいあげる] 人ガ ものヲ  ・地下室に入った水をポンプで吸い上げた。 ・この掃除機はごみを吸い上げる力がこれまでの製品の3倍あります。お買い得ですよ。 [すいこむ] 人ガ ものヲ  ・朝の冷たい空気を胸にいっぱい吸い込んだ。 ・吸い込んだ水をはやく吐き出しなさい。 [すいだす] 人ガ ものヲ  ・探検家は、毒虫に刺されたところを自分で噛み切って、血を吸い出した。 ・本棚の間の狭いところにペンを落としてしまった。掃除機で吸い出そうとしたが、 なかなかうまくいかない。 [すいつく] ものガ ものニ ・ヒルが足に吸いついて離れない。気持ち悪い。 ・磁石(じしゃく)に釘が吸い着いた。 [すいつける] 人・ものガ ものヲ ・スイッチを入れると、電磁石が鉄片を吸い付けるので、穴から空気が流れます。 ・電車に乗ったとたん、目が車内広告に吸い付けられた。タレントの○○が結婚!?  ・タバコを吸い付けていないと、人のタバコの煙が気になる。 [すいとる] ものガ ものヲ ・掃除機はごみを吸い取る機械です。 ・彼はどうしたんだ? 魔女に精気を吸い取られたみたいに元気がないな。 [すいよせる] 人ガ ものヲ ・磁石が鉄を吸い寄せるように、彼女は男の視線を吸い寄せる。 ・窓から流れるうまそうな甘い匂いが客を吸い寄せ、店が繁盛するというわけだ。
すえる
[すえおく] 人ガ ものヲ ・政府は高速道路の料金をしばらく据え置くことを決定した。 ・消費税率は5パーセントに据え置かれたままだ。 [すえつける] 人ガ ものヲ ものニ ・エレベータに監視カメラを据え付けて犯罪を抑止する。 ・最新型の組立ロボットが工場に据え付けられた。
すがりつく
[すがりつく] 人ガ 人・ものニ  ・木が大きく揺れ、落ちそうになったので、太い枝に両手ですがりついた。 ・子供は犬を怖がって母親にすがりついていた。
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すぎる
[すぎさる] ものガ ・年をとると、月日が過ぎ去るのがいっそう速くなる。 ・過ぎ去った青春の日々を思い懐かしむ。 [すぎゆく] 人・ものガ ・喫茶店の窓から、道を過ぎゆく人々をぼんやり眺めていた。 ・この和歌は、春が過ぎ行くのを惜しむ心をみごとに表現している。
すく透く
[すきとおる] ものガ ・この海は水がきれいなので、底まで透き通って見える。 ・透き通ったガラスを通して、朝の光が部屋いっぱいに満ちている。
すく(好)
[すきあう] 人ガ 人ト  ・どういう事情があるにせよ、好きあっている二人を別れさせるのはかわいそうだ。 [すきこのむ] 人ガ ものヲ   (ほとんど副詞・否定と共に) ・私だって、好き好んでこんな仕事をやっているわけじゃない。
すくう救う
[すくいあげる] 人ガ 人ヲ ・水に落ちた人々を救命ボートに次々と救い上げた。 ・社会の底辺にいる人々をどうやって救い上げるかを考えなければならない。 [すくいだす] 人ガ 人ヲ ・山で道に迷った人が十日ぶりで救い出された。 ・中に閉じ込められている人々をなんとかして救い出さなければならない。
すくう掬う
[すくいあげる] 人ガ ものヲ  ・スープに浮かぶ黒いものをスプーンで掬い上げてよく見てみた。コショウの粒だっ た。 ・みそ汁の中のとうふをお玉で掬い上げた。 [すくいとる] 人ガ ものヲ ・粉が下にたまったら、上澄みをすくい取って下さい。 ・部員の中にたまっている不満をうまくすくい取って解消するように心掛けている。
すげる
[すげかえる] 人ガ ものヲ ・ひな人形の顔に傷が付いてしまったので、新しいものにすげ替えてもらった。 ・影の権力者は、げたの鼻緒をすげ替えるように、首相の首をすげ替えてきた。
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すすむ
[すすみでる] 人ガ ・「私にやらせてください」と一人の隊員が前に進み出た。 ・名前を呼ばれた二人は部屋の真ん中にしずしずと進み出て、優雅な舞いを舞い始めた。
すする
[すすりあげる] 人ガ 人ものヲ ・小さな子は涙を流し、鼻をすすり上げながら母親の名前を呼び続けた。 ・いくら花粉症でも、鼻水をすすり上げながらしゃべるのはやめてほしい。 [すすりなく] 人ガ  ・ヒロインが声を殺してすすり泣く様(さま)は、女性客の涙を誘った。 ・障子の向こうから、子供のすすり泣く声が聞こえた。
すてる
[すてきる] 人ガ ものヲ  ・どうしても彼女への未練(みれん)を捨てきれない。 ・要らないものだと思っても、子供の頃のおもちゃというのは捨てきれないものだ。 [すてさる] 人ガ ものヲ  ・過去のみじめな思い出は捨て去った。未来に生きるのだ。 ・落ちるところまで落ちたんだ。もう変なプライドなどは捨て去ってしまえ。
すべる
[すべりおちる] 人・ものガ   ・寒くて目が覚めた。寝ている間に毛布が滑り落ちてしまったらしい。 ・山道を歩いているうちに足を踏み外し、斜面を滑り落ちてけがをした。 [すべりおりる] 人ガ ものヲ  ・子供がすべり台を滑り降りながら楽しそうに笑っている。 ・まっしろなゲレンデを滑り降りるのは最高だ。 [すべりこむ] 人ガ ものニ ・ランナーが二塁(にるい)に滑りこんだ。 ・列車の時間ぎりぎりにホームに滑りこんだ。 ・「これでよろしく頼むよ」と言いながら、金を相手のポケットに滑り込ませた。 ・スキー選手が試合前にしっかりと滑り込む。(充分に滑る) [すべりだす] 人ガ  ・「では、出発!」新雪の上を三台のそりが快調に滑り出した。 ・新しい事業が順調に滑り出し、我々の未来は明るいように思えた。 [すべりでる] 人ガ  ・スタートの合図が鳴る前に、隣の選手のスケート靴がわずかに滑り出ていた。 ・言うまいと思っていたのだが、言葉が口から滑り出てしまっていた。
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すむ
[すみかえる] 人ガ ものヲ ・このマンションも長く住んだので、そろそろ住み替えたいと思っている。 [すみかわる] 人ガ  ・この家は、何回も人が住み変わっている。 [すみこむ] 人ガ 所ニ ・昔の女中さんは、部屋を与えられ、家に住み込んで働くことが多かった。 ・人類学者たちはその村に住み込んで、村の生活のようすを記録した。 [すみつく] 人・ものガ 所ニ ・迷い犬がとうとう私の家に住み着いてしまった。 ・このばい菌は体のどこにでも住み着いてなかまをふやします。 [すみなれる] 人ガ 所ニ ・新しい家に住み慣れるには、多少時間がかかる。猫は特にそうらしい。 ・「住めば都(みやこ)」ということわざがあるが、こんな小さな町でも住み慣れる といい所に思われてくる。 ・住み慣れた土地がいちばんだね。
すむ(澄)
[すみきる] ものガ  ・澄み切った秋の空の下、小学校の運動会が元気よく行われた。 ・彼女の澄みきった目は、女優としてやっていくための大きな武器になる。 [すみわたる] ものガ ・どこまでも澄み渡る空に吹く秋の風を感じながら、夏休みの宿題をやっていた。
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する
[しあがる] ものガ ・3時間かかって、夏休みの宿題の絵が一枚仕上がった。 ・「塗装はいつまでかかりますか」「あと少しです。土曜日までには仕上がります」 [しあげる] 人ガ ものヲ  ・夏休みの最後の日、書きかけだった作文を何とか仕上げて、宿題が全部終わった。 ・会場の準備をひととおり仕上げてから、開会のあいさつの原稿をもう一度読み直した。 [しおえる] 人ガ ものヲ ・最後の仕事をし終えて、私の労働人生はようやく終わりとなった。 [しかかる] 人ガ ものヲ ・しかかった仕事は最後までやってしまわないと、気になって家に帰れない。 [しかける] 人ガ 人・ものニ ものヲ ・容疑者の部屋に盗聴器を仕掛け、組織の全体を探り出そうとした。 ・けんかは仕掛けたほうが悪い。 ・巧妙に論争を仕掛け、相手の揚げ足を取って恥をかかせた。 [しかねる] 人ガ ものヲ ・そういう条件を付けられては、すぐには返事をしかねます。ゆっくり検討させて下さい。 ・自分の一生にかかわるので、かんたんには決心をしかねる問題だ。 [しそこなう] 人ガ ものヲ ・外国のホテルの予約をし損なって、そのまま現地へ行ったら満員で泊まれなかった。 ・チャンスでバントをし損なった選手が監督から厳しく叱られた。 [しそんじる] 人ガ ものヲ ・あそこでシュートをし損じたのが痛かった。あれが入っていればねえ。 ・昔の人は「急いてはことをし損じる」ということを言った。いいことを言う。 [しだす] 人ガ ものヲ ・このゲームは一度し出すと面白くてやめられなくなる。 ・怠け者の社員が多くて困る。やっと仕事をしだしたと思ったら、退社時間だ。 [しつくす] 人ガ ものヲ ・ゲームセンターに通い詰めて、すべてのゲームをしつくした。 ・一日にすべきことをしつくさないと、落ちついてベッドに入れない。 [しつける] 人ガ ものヲ ・ふだんしつけない仕事をすると、神経が疲れる。 [しとげる] 人ガ ものヲ ・残りの人生で何か大きなことをし遂げてから死にたいと思う。 [しなおす] 人ガ ものヲ ・ちょっと汗をかいたので化粧をし直さないと。 ・二度計算をし直したら、それぞれ別の答えになった。 [しなれる] 人ガ ものヲ ・あんまりしなれない丁寧な挨拶をしようとして、言葉を間違えた。 [しのこす] 人ガ ものヲ ・仕事をし残すのはいやだったから、遅くまで現場に残って完成させた。
する(刷)
[すりこむ] ・「○○大学教授」という肩書を刷り込んだ名刺が刷り上がって来た時は、ちょっと誇ら  しい気持ちになった。今思えば、おろかだった。 ・なぜか両親と楽しく遊んだ思い出が記憶に刷り込まれている。私が生まれてすぐ、両親  は離婚していたはずなのに。
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する(擦・掏)
[すりおろす] ・サンマとすり下ろした大根の組み合わせは最高だね。 ・そこの山芋、すり下ろしておいてくれない? [すりかえる] 人ガ ものヲ ものト ・手品師は誰にも気づかれないようにうまくカードをすりかえた。 ・彼は、一瞬のうちに、本物と偽物をすりかえた。 [すりきる] ・糸ヤスリで鉄格子を擦り切って脱獄した。 [すりきれる] ものガ ・いつもすり切れた服を着ているあの人は、実はすごい学者だそうだ。 ・こんな会社に長く勤めていると、心の大事な部分がすりきれてしまいそうだ。 [すりこむ] 人ガ 人・ものニ ものヲ ・かさかさになった肌にクリームをたっぷりすりこんだ。 ・あの団体は若者に危険な思想をすり込もうとしている。 [すりつける] 人ガ ものヲ ものニ ・家に帰ると、犬が私のズボンに鼻をすりつけた。何かにおうらしい。 ・子供は顔を母親の胸に擦りつけながら、泣きじゃくった。 [すりつぶす] 人ガ ものヲ  ・ゴマをすり鉢ですりつぶすと、いい匂いがあたりに広がった。 ・駅で誰かとぶつかったとき、財布をすりとられたらしい。 [すりとる] 人ガ ものヲ  ・刑事の手帳をすり取るとは、おまえは大胆な男だ。 ・駅で誰かとぶつかったとき、財布をすりとられたらしい。 [すりぬける] ・群衆の間をすり抜けて、演壇のすぐ下まで行くと、演説している彼の顔がよく見えた。 ・のら猫は私と建物の間の狭い空間をすり抜けて、すばやく逃げていった。 ・役人が収賄の容疑で警察に調べられたが、何とか追及をすり抜けて起訴されなかった。 [すりへらす] 人ガ ものヲ  ・神経をすり減らすような現代社会の競争を抜け出したい。 ・刑事が靴の底をすり減らして調べ上げた事実の前に、男は罪を認めざるをえなかった。 [すりへる] ・毎日歩き回っていると、靴の底がすり減ってきた。 ・細かい作業を何時間も続けていると、神経がすり減ってしまい、大声で叫びたくなる。 [すりむく] 人ガ ものヲ  ・幼児が転んでひざをすりむいた。 ・自転車でスピードを出して派手に転び、ももから脇腹のあたりをひどくすりむいた。 [すりむける] ものガ ・転んですりむけたひざにばんそうこうを貼った。 ・久しぶりに木に登ったら手の皮がすりむけた。 [すりよる] 人ガ 人ニ ・会場を出ると、週刊誌の記者が彼女にすり寄って来た。 ・部屋に入ると、飼い猫が足にすり寄ってきて、ニャアと鳴いた。
すれる
[すれあう] ものガ ものト  ・ガラスとガラスが擦れ合ってキーッといういやな音がした。 ・部品をグラインダーに押し付けると、互いに擦れ合って火花が出た。 [すれちがう] 人・ものガ 人・ものト  ・対向車とすれ違ったとき、何かが光ったような気がした。 ・さっき入り口ですれ違った男がいたろう? あれが妹の亭主だよ。
ずれる
[ずれこむ] ものガ ものニ ・法案の成立は来月にずれ込みそうな状況だ。 ・会議が長引き、次の会議の時間にずれ込んでしまった。
すわる
[すわりこむ] 人ガ ものニ  ・彼は疲れているらしく、へやに入っているとソファにどっかと座りこんだ。 ・労働組合の人々が工場の門の前に座り込んだ。
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せおう
[せおいこむ] 人ガ ものヲ ・親が残した借金を背負い込んで、兄弟は苦労しながらも助け合って返済していった。 ・友人の会社の再建なんて、大変な厄介事を背負い込んだもんだね。君はそういうのが好きだからな。
せく(急)
[せきたてる] 人ガ 人ヲ ・早く早くと子供をせき立てて生きてきた。もっとゆったり生きればよかったと後悔している。 ・締め切りにせき立てられ、いい加減な原稿を書きなぐってきた。
せく(堰)
[せきとめる] 人ガ ものヲ ・川の水をダムでせき止め、発電所を作った。 ・ビーバーは木の枝などを使って水の流れをせき止め、そこに巣を作っている。
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せめる攻める
[せめあう] 人ガ 人ト ものヲ ・両軍は力を尽くして互いに攻め合ったが、なかなか決着が付かなかった。 ・兄と互いの陣地を攻め合っているうちに、母の「ごはんよー、ゲームはやめなさーい」  という声が聞こえた。 [せめいる] 人ガ ものニ  ・ボールを奪い返すと、我々は敵陣に攻め入った。 ・ドイツは突然ポーランドに攻め入った。 [せめおとす] 人ガ ものヲ  ・3か月かけて敵の城を攻め落とした。 ・この城は、攻め落としにくく、守りやすい城だ。 [せめかかる] 人ガ 人・ものニ ・援軍が来て勢いづいたわが軍は、夜が明けると同時に相手に攻めかかった。  ・敵の守りの弱点を見つけて、一気に攻めかかった。 [せめかける] 人ガ 人・ものヲ ・ボールを敵のゴールライン近くに蹴り込んで、一気に攻めかけた。 ・敵の背後に回って、はさみうちにして攻めかけた。 [せめこむ] 人ガ ものニ  ・城の門が壊され、一気に敵が攻め込んできた。 ・内閣内の意見の不一致が明るみに出てしまい、野党に攻め込まれた。 [せめたてる] 人ガ 人・ものヲ  ・P軍はQ軍の城をはげしく攻め立てた。 ・敵陣の周囲を取り囲み、じわじわと攻め立て、ついに降服させた。 [せめぬく] 人ガ 人・ものヲ ・相手の王将を攻めて攻めて攻め抜いたが、ついに詰ますことができず、反撃されて負け  てしまった。 ・攻撃は最大の防御という。ともかく徹底的に攻め抜くことが大事だ。 [せめのぼる] 人ガ 所ニ/へ  ・大軍が一気に都へ攻め上り、皇帝は命からがら逃げ出した。 ・戦国時代の武将は、京へ攻め上り、天下を統一することを夢見ていた。 [せめほろぼす] 人ガ 人・ものヲ  ・敵を攻め滅ぼす。 ・わが国は大国に攻め滅ぼされ、国民は諸国を流浪する苦境に陥った。 [せめよせる] 人ガ ものニ  ・次々と敵の大群がこちらへ攻め寄せて来る。 ・敵兵がときの声を上げて攻め寄せてきたとき、これまでだと感じた。 [せめよる] 人ガ 人ニ  ・敵の軍勢がまさに海岸近くに攻め寄ってきたとき、嵐がやってきた。
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せめる責める
[せめさいなむ] 人・ものガ 人ヲ ・友だちをうらぎった日から、良心に責めさいなまれて夜もよく眠れなかった。 ・人々は口々に将軍の背信を責めさいなんだ。 [せめたてる] 人ガ 人・ものヲ ・有害な排水を出した工場の責任者を厳しく責め立てた。 ・親戚の連中は私の不義理を責め立てたが、彼らもまた、ひどい薄情者だったのだ。 [せめつける] 人ガ 人ヲ ・ちょっとの間違いをよってたかって攻め付けるのはかわいそうだよ。 ・相手側は、今回の行為は契約違反だと我が社を責め付けた。
せる(競)
[せりあう] 人ガ 人ト ものヲ ・彼とはいつもトップを競り合って争う仲で、いいライバルだと思っている。 ・オークションで名画を競り合い、8億円でついに落札した。 [せりあげる] 人ガ ものヲ ・オークションの主催者は、できるだけ落札価格を競り上げようとする。 ・国際市場で大豆の価格を競り上げて大もうけをした企業がある。 [せりおとす] 人ガ ものヲ ・オークションで有名な静物画を競り落とした。 ・高値で競り落とされた物の中に偽物が混じっているという噂が流れた。
せる(迫)
[せりあがる] ものガ  ・目の前にせり上がる断崖を前にして、登山家としての挑戦欲が湧いてきた。 ・試合終了の笛が鳴ったとき、体の中から熱いものがせり上がってくるのを感じた。 [せりあげる] 人ガ ものヲ ・話すうちに、しだいに声をせり上げていった。
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そそぐ
[そそぎいれる] 人ガ ものニ ものヲ ・ポットに紅茶の葉を入れ、熱湯を注ぎいれた。 ・ウエイターはグラスにワインを注ぎ入れ、客の前に置いた。 [そそぎこむ] 人・ものガ ものニ ものヲ ・この湖には、三本の川が注ぎ込んでいる。 ・教師は全力で学生たちにすべての知識を注ぎ込んだ。
そだてる
[そだてあげる] 人ガ 人ヲ ・五人の子供を無事に育て上げるのは大変なことだった。 ・この子を一人前に育て上げるまではがんばらなくてはならない。 ・ふつうの子供を一流の運動選手に育て上げることは不可能だ。
そなえる
[そなえつける] 人ガ ものニ ものヲ ・会議室には最新式のAV機器を備え付けてある。 ・部屋には家具が備え付けられているので、新しく買わなくて済む。
そびえる
[そびえたつ] ものガ 所ニ ・湖を望む高台に美しい城がそびえ立っている。 ・北側にそびえ立つ富士山の眺めは、何度見てもすばらしいものだ。
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そめる
[そめあがる] ものガ ・白い布が真っ青に染め上がった。 [そめあげる] 人ガ ものヲ ・鮮やかに染め上げたのれんを掲げて、新しい店がスタートした。 ・人生をバラ色に染め上げてくれるのが、美しい女性の存在だ。 [そめだす] 人ガ ものヲ ・彼女は鮮やかな藍色を染め出そうと苦心していた。 ・熱帯の風物を染め出した、いかにも南国の明るさに満ちた生地だ。 ・羽織の背中には代々伝わる我が家の家紋が染め出してある。 [そめつける] 人ガ ものヲ ものニ ・その女は熱帯の原色を染め付けた布を身にまとっていた。 ・このようなしっとりとした色を染め付けるのは難しい。 [そめなおす] 人ガ ものヲ ・思ったより色が薄かったので、もう一度染め直した。 [そめぬく] ・のれんに「ゆ」の文字が白く染め抜かれている。 [そめわける] 人ガ 人ものヲ ・彼女の着物は、様々な花の色を染め分けていて、とても見事な振り袖だった。
そる
[そりおとす] 人ガ ものヲ ・彼はひげを剃り落としたらずっと若く見えるようになった。 ・その頃の女性は眉毛を剃り落とし、墨で描いていたという。 ・田舎のおじいさんは頭髪をすっかりそり落とし、毎日お経を読んでいるそうだ。
そる(反)
[そりかえる] 人ガ 人ものヲ ・叔父はソファーにどっかりと腰を下ろし、反り返ってテレビを見ていた。 ・安物の雑誌らしく、ビニールの表紙が陽に当たって反り返ってしまっている。
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