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「26.複合動詞」へ

              

[補説§26]

  §26.1 複合動詞の分類   §26.2 複合動詞の前項   §26.3 複合動詞の一覧     A 前項動詞から     B 後項動詞から

§26.1 複合動詞の分類

 複合動詞全体をどう分類するかという問題についての研究を紹介します。  姫野昌子の本からの抜き書きです。 姫野(1999)から 寺村秀夫(1969)       (a) 自立V+自立V・・・走り去る 持ち上げる      各部分が自立語の意味を保持       二つの動作が連結して表現、「〜して〜する」の意  (b) 自立V+付属V・・・走り込む 見上げる      第2の要素が自立語の意味を喪失      第2の要素が前のVのあり方を限定 (c) 付属V+自立V・・・とり押さえる 打ち眺める      第1の要素が接頭語化      第2の要素のニュアンスを付加 (d) 付属V+付属V・・・とりなす のり出す      各部分が自立語の意味を喪失      一語として不可分離 ▽「自立V」と「付属V」の基準が明らかでないという批判がある。 山本清隆(1983)(1984)(1992)  I類 前項・後項ともに格支配      煙草を投げ捨てる   煙草を投げる・煙草を捨てる       光り輝く 降り積もる 刺し通す 売り歩く 踏み荒らす等  粁燹〜姐爐里潦併拉      空を見上げる    空を見る *空を上げる       湧き立つ 降り出す 食べ過ぎる 読み始める 書き終える等  稽燹仝綛爐里潦併拉      災難が打ち重なる  *災難が打つ  災難が重なる       打ち破る 取り澄ます 振り仰ぐ 差し挟む 引き起こす等  故燹〜姐燹Ω綛爐箸發乏併拉曚靴覆      失敗を繰り返す   *失敗を繰る  *失敗を返す       打ち切る 打ち解ける 取り乱す 取り締まる 引き立つ等 この「概説」で扱っているのは、寺村の(b)、山本の粁爐砲覆蠅泙后

§26.2 複合動詞の前項

 複合動詞で問題にされるのは後項動詞ですが、前項に来る動詞にも 補助的な要素になる場合があります。国語辞典を見て、複合動詞とな ることが多い動詞を探してみました。 複合動詞の前要素  (教育社の辞典から 岩波その他で増補)  07.2 08.3 当てる 当てこする  当てつける  あてはまるメル  当て込む 言う  言い合う  言い表す  言い換える  言い交わす  言い聞かせる      言いくるめる  言い切る  言いくるめる  言い込める  言い渋る     言い捨てる  言い添える  言い出す  言いつける  言い尽くす     言い伝える  言いつくろう  言い通す  言い直す  言い逃れる      言い抜ける  言い残す  言い張る  言い含める  言いふらす     言い寄る  言い負かす  言い渡す    受ける 受け入れる  受け継ぐ  受け付ける  受け取る  受け持つ     受け止める  受け流す  受け渡し  受け売り  打つ  打ち明ける  打ち上げる 打ち合わせる  打ち落とす 打ち勝つ     打ち切る  打ち砕く  打ち消す  打ち込む  打ち出す     打ち立てる  打ち付ける  打ち続く  打ち解ける  打ち止め     打ち取る/討ち取る  打ちのめす  打ち払う  打ちひしぐ     打ち破る  打ち寄せる  打ち殺す  打ち抜く  追う  追い上げる  追いかける  追い越す  追い返す  追い込む     追いすがる  追い出す  追い立てる  追いつく 追い詰める     追い落とす  追い抜く  追い払う  追い回す  追い散らす     追いやる 押す  押し入る  押しかける  押し通す  押し詰まる  押し殺す      押し切る  押し付ける  押し寄せる  推し進める  推し量る 落ちる 落ち合う  (陥る)  落ち込む  落ち着く  落ちぶれる 思う  思い上がる  思いあまる  思い合わせる  思い至る     思い浮かぶ/べる  思い描く 思い起こす  思い及ぶ  思い返す      思い切る  思いこむ  思い知らせる  思い出す  思い立つ      思いつく  思い詰める 思い残す  思いやる  思い煩う   書く  書き上げる  書き込む  書き損なう  書き取る  書き直す  掻く  かき消す  かき立てる  かき回す  かいくぐる?  聞く  聞き入る  聞き入れる  聞き落とす  聞き出す 聞き届ける     聞き取る  聞き流す  聞き慣れる  聞き逃す 聞き分ける 切る  切り上げる  切り返す  切り替える  切り崩す  切り込む     切り裂く  切り捨てる  切り出す  切り立つ  切りつめる     切り取る  切り抜ける  切り離す  切り開く  切り回す   食う  食い入る  食い込む  食い下がる  食いしばる  食い違う     食いつく 食いつなぐ 食いつぶす  食い詰める  食い止める 組む  組み立てる  組み合わせる  組み入れる  組み込む     汲み取る 繰る  繰り上げる  繰り返す  繰り越す  繰り出す 繰り広げる 込む  込み合う  こみあげる  込み入る   差す  差し上げる  さしあたる  差し入れる  差し置く      差し押さえる  差し替える  さしかかる  さしかける     差し込む  差し迫る  差し出す 差し支える  差し出る      差し止める  差し伸べる  差し挟む  差し控える      差し引く  差し向ける 立つ  立ち会う  立ち上がる   立ち入る  立ち後れる     立ちこめる   立ち消え  立ちこめる  立ち去る  立ちすくむ     立ちつくす  立ち止まる  立ち直る  立ち退く  立ちはだかる     立ち向かう  たち行く  立ち寄る  断ち切る 突く  突き返す  突っかかる  突っかける 通る  通りかかる  通り過ぎる  通り抜ける  取る  取り上げる  取り扱う  取り入れる  取り替える  取り返す     取り組む  取り消す  取り込む  取り締まる  取り出す     取り付く  取り付ける  取り除く  取り外す 取り巻く 取り戻す 投げる 投げかける  投げ捨てる  投げ出す  投げやり  投げ打つ なる  成り上がる  成り代わる  成り下がる  なりすます     成り立つ   乗る  乗り越える  乗りかかる  乗り切る  乗り出す     乗り上げる  乗り付ける 張る  張り合う  張り裂ける  張り込む  張り出す 引く  引き上げる 引き起こす  引き返す  引き取る  引き締める    引き立つ  引き継ぐ  引き下げる  引き替える  引き受ける     引っ張る  引っかかる  引っかく  ひっくり返す     引っ込める  引っ越す  ひったくる   振る  振り返る  振り切る 待つ  待ち合わせる  待ちかねる  待ちかまえる  待ち望む 見る  見上げる  見当たる  見合わせる  見いだす  見受ける 見送る     見落とす  見下ろす  見掛ける  見くびる  見込む  見捨てる     見直す  見逃す  見張る  見守る  見回す 持つ  持ち上がる  持ち上げる  持ち込む  持ちかける  持ち出す      持ち直す  持ち運ぶ  持ち回る  持っていく・くる   やる  やり返す  やりこめる  やり過ごす  やりつける     やり遂げる 行く  行き着く  行き詰まる  行き届く  行き渡る  行き交う 呼ぶ  呼び起こす  呼びかける  呼び交わす  呼び覚ます      呼び捨てる  呼び出す  呼び立てる  呼びつける  呼び寄せる  読む  読み上げる  読み返す  読み込む  読み取る   寄る  寄りかかる  寄り添う  寄りつく  沸く  沸き上がる  わき起こる  わき返る  沸き立つ 割る  割り当てる  割り切る  割り切れる  割り込む 割り出す     割り引く  割り振る       ぶちまける  ぶちこわす  ぶち抜く  ぶちのめす ◇複合動詞の前項の中で興味深いもの           生産性の高いものの中で、元の意味が薄れ、形式的な要素(複合動詞の後項 と同じように)になっているものを拾って見ます。  「言う」は数が多いのですが、元の意味が残っています。  それに対して、「打つ」は、「打ち合わせる」(物と物を、ではなく、 「相談する」の意味の場合)、「打ち解ける」などのように元の「打つ」と は違う意味で使われることが多くなっています。他にも「(仕事に)打ち込む」 「打ち続く」「打ち破る」「打ち寄せる」などがあります。   「受ける」は「受け付ける」「受け取る」「受け持つ」など、元の意味と関 係があると言えば言えそうですが、一つの新しい動詞として意味をとらえたほ うがいいかもしれません。  「切る」は「切り上げる」「切り返す」「切り詰める」「(話を)切り出す」 「切り抜ける」「切り回す」などがあります。  「食う」の「食い違う」「食い止める」はどうして「食う」なのでしょうか。  「繰る」自体はあまり使われない動詞ですが、「繰り返す」「繰り越す」な どは使用頻度が高い動詞です。  「差す」は「差し押さえる」「差し支える」「差し止める」「差し控える」 など、どういう「さす」なのだろうかと考えてしまいます。  「立つ」も「立ち会う」「立ち直る」「立ち向かう」「立ち寄る」などは 「立つ」という意味との関連が薄いものです。  「引く」では「引き取る」「引き立つ」「引き継ぐ」「引き換える」「引き 受ける」などがあります。「引っかかる」「引っ越す」のように音変化するも のがあり、それもまた注意が必要です。   「割る」の「割り切る」「割り出す」「割り出す」「割り引く」なども、ど う「割る」のか、わかりにくいところです。

§26.3 複合動詞の一覧

A 前項動詞から
  別ファイルで「複合動詞 文型用例集」を作りました。   その目次として、「複合動詞 一覧表」を前項動詞の五十音順で作りました。    
→こちら
 
B 後項動詞から
「概説」本文でとりあげた以外にも多くの複合動詞要素(後項)があります。  それらをなるべく多く並べてみます。  『動詞・容詞問題語用例集』という本からです。動詞例が1語のものと、2語以上 でもあまり使われないと判断したものは省略しました。  もとの表には、前要素が名詞のものもあるので、それも省略せずに並べておきました。  現在ではあまり使われないものも含まれています。削除することも考えたのですが、 判断が難しいのでやめました。  逆に、一語として認められていないのか、とりあげられていないものもあります。  最後の[ ]内は、その表にあるもの以外で考えついたもの、辞典などで見つけた もの、です。  「〜”」は後要素が濁音化する場合(ねる+かえる→ねがえる)の記号です。  同じく「〜゜」は後要素が半濁音になる場合です。(おっぱらう)  < >は『概説』本文でとりあげたもの ◇『動詞・容詞問題語用例集』 国立国語研究所(西尾寅弥・宮島達夫)1971  「検仝賈からの逆びきによる動詞・形容詞 2.合成語」から (「単語は、例解国語辞典・岩波国語辞典の見出し語によった」とあり、国語辞典  の見出し語にならないような複合動詞である「食べ始める」のような語はない。)
(1)あと要素が独立するもの
<あう>いい〜、いがみ、うけ、おち、おり、おれ、かかり、かけ、かち、かみ、 きり、くい、くみ、こみ、さし、しげり、しり、すれ、せめ、せり、だき、たち、 つかみ、つき、つり、つれ、で、でき、とけ、とっくみ、となり、とり、なれ、に、 にらみ、ねじ、はなし、はり、ひき、ふり、へし、み、むかい、むき、めぐり、 もみ、やり、ゆき、より、わたり、/まに。 (あかす)かたり、とき、なき、なげき、のみ、まち <あがる>うかび、うき、おどり、おもい、きれ、すくみ、ずれ、たち、ちぢみ、 つけ、つり、とび、なり、ぬけ、のし、のぼせ、はね、ひ、ふるえ、めし、もち、 もり、わき。     [かけ、のび] (あける)うち、こじ。  [おし] <あげる>あらい、いれ、うち、かき、かぞえ、きり、くみ、くり、け、こみ、さ し、しばり、しぼり、しゃくり、すすり、せき咳、せき塞、せり迫、せり競、そだ て、そめ、せぐり、たくし、たたき、つくり、つみ、つり、でっち、とり、なで、 ねじ、のり、はり、ひき、まき、まくし、まつり、み、めし、もうし、もち、もり 、ゆい、よみ。      [おし、ひっぱり] (あたる)おもい、さし、つき、み、ゆき。    [ぶち] (あつかう)とり、もち、もて。  (あつめる)かき、かり、とり。    [ひろい] (あてる)かぎ、さがし、つき、ひき、ふり、わり。 <あやまる>いい、み。        [かき、きき、よみ] (あるく)で、とび、ながれ、ねり、わたり。  [おしえ] <あわせる>あり、い、いい、いれ、うち、うめ、おもい、かき、かけ、かみ、き き、くみ、くり、しめし、だき、たずね、つき、つぎ、つづり、てらし、とい、と り、にらみ、ぬき、ねり、のり、はぎ、ひき、まち、み、もうし、もち、よみ、/ め。 <いる>いたみ、おし、おそれ、おち、かんじ、きき、きえ、くい、こみ、しみ、 せき、たえ、たち、たのみ、つけ、とり、なき、ね、はじ、ひき、み、わび、/め。 <いれる>うけ、おとし、かい、かき、かり刈、かり借、きき、くみ、くり、しょ うじ、さし、とり、のり、もうし、よび。  [なげ、はこび、ひき] (うける)かり、ひき、まち、み、もうし、ゆずり、/まに。 (うせる)きえ、にげ。 (うつ)むかえ、/なみ、めい、むち、/のた。 (うつる)おし、のり、ひき。 (おく)さし、すて、きき、とめ、とり、/さて。 (おくる)かき、み、もうし。 (おくれる)しに、だし、たち、のり。 (おこす)おもい、かき、すき、だき、たたき、ひき、ふり、ふるい。 (おさえる)さし、とり。 <おちる>うまれ、ずり。  [くずれ、こぼれ、ころげ、ころがり、すべり、やけ] <おとす>いい、うち、かき、きき、きり、け、せめ攻、せめ責、せり、とり、な き、ふるい、み。 [そり、たたき、つき、はらい、ひき、ひきずり、ふり] <おりる>[かけ、すべり、とび、はい、はしり、まい]   <おろす>こき、なで、ふき、み。[うち、かき、なげ、ひき、ふり、] <おえる> <おわる> <かえす>おい、おし、おもい、おり、きき、きり、くり、け、こね、すき漉、す き鋤、せき、そめ、つき、つっ、てり、とい、とり、はね、ひき、ひっ、ふき、ま ぜ、まぜっ、み、むし、もり、やり、/とって、でんぐり、ひっくり、ぶり、/う ら”、/ごった”。  [おくり、なげ、なぐり、よみ、みつめ] <かえる[返]>あきれ、いき、さえ、しずまり、しょげ、そり、たち、にえ、ね”、 はね、ふり、ふんぞり、み、むせ、わき、われ、/そっくり、そりくり、でんぐ り、にえくり、ひっくり、/うら”、よみ”、わか”。 <かえる[換]>おき、きり、くみ、くり、さし、すげ、すみ、すり、たて、つくり、 とり、のり、ひき、ふり、よみ。 [かけ、き”、はき] (かかえる)だき、めし。 <かかる>きり、さし、せめ、たち、つかみ、つっ、とおり、とび、とり、のし、 のり、ひっ、ふり、よっ、より、/しも”。 [もたれ] <かける>い、おい、おし、おっ、きり、さし、さそい、し、しに、せめ、たたみ、 たて、つっ、つめ、で、とい、なげ、のり、はたらき、はなし、ひっ、ふっ、ふり、 み、みせ、もたせ、もち、よせ、よび、/こころ”、こし、で”、め”。[アスペクト用法は別] (かさなる)おり、つみ。 (かさねる)おり、つみ。 (かぶる)かい、ひっ、ふり。 (かまえる)まち、/み”。 (かわす)いい、くみ、とり、み、よび。[なき] (かわる)いれ、うつり、うまれ、きり、しに、すみ、たち、なり、ぬけ、/うっ て。 (きく)つたえ、もれ。 <きる>いい、うち、おし、おもい、かい、かし、かっ、かり、くい、し、しめ、 すみ、すり、だし、たち、たて、つき、つっ、つめ、で、にがり、ねじ、のり、は さみ、はり、ふみ、ふり、み、もち、やき、わり、/うら”、く”、せ”、ね”、 ま”、よこ”、こ”、/ちょん”、ぶった”、/いきせき。[こまり、しんじ、よわり、わかり] (きれる)うり、すり、ふっ、わり、/こと、/はち。 (くくる)しめ、すべ、ひっ。 (くずす)きり、もち、とり。 (くだく)うち、かみ。 (くだす)かき、のみ、み、よみ。 (くむ)し、とっ、とり、のり。 (くらす)いい、なき、なげき、ふり、ゆき。 (くる)かい、さし、/かん”、ちち、つま”。 (くるめる)いい、ひっ。 (くれる)あけ、かき、ゆき。 (けす)いい、うち、とり、もみ。 (こける)ねむり、わらい。     [やせこける、は別] (こす)おい、かち、くり、さし、とり、のり、ひっ、まかり、まけ、み、もうし、 もち。  [とび] (こたえる)ふみ、もち。 (こなす)き、し、つかい、やり、よみ。 [のり] (こぼれる)い、さき、ふき。 <こむ>あて、い、いきおい、いり、うち、うり、おい追、おい老、おくり、おし、 おどり、おもい、おり折、おり織、かい、かかえ、かき、かけ、かり、き、きき、 きめ、きり、くい、くみ汲、くみ組、くらい、くり、ころがり、ころげ、さし、し、 しけ、しのび、しょい、しょげ、じれ、すべり、すり擦、すり刷、すわり、せき急、 せき咳、せっ、たき、だき、たくし、たたみ、たて、たのみ、だまし、ため、たら し、つかい、つぎ、つけ漬、つけ付、つっ、つみ、つめ、つり、つれ、てり、とじ、 とび、とり、なき、なぐり、なだれ、に、ね、ねじ、ねむり、のみ、のり、はかり、 はなし、はめ、はらい、はり、ひえ、ひき、ひきずり、ひっ、ふうじ、ふき拭、ふ き吹、ふさぎ、ぶち、ふみ、ふり降、ふり振、ふれ、ほれ、まい、まき、まぎれ、 まるめ、み、めかし、めり、もうし、もち、よび、わり、/いき”。 [はしり、 ひっぱり、たれ] <こめる>おし、たち、たて、たれ、とじ、とり、ひっ、ふうじ、ふり、やり。 (こもる)たて、とじ、ひき、ひっ、/くち”、す”、ふゆ”、み”。 (ころす)うち、かみ、さし、しめ、とり、ひき、ほし、もり。 [きり、うち、 なぐり、ぶっ] (こわす)とり、ぶち。 <さがる>くい、なり、ひき、/やに、/ぶら。 (さく)きり、つん”、ひき。 <さげる>きり、くり、とり、ねがい、はらい、ひき、ひっ、ほり、み、/ぶら。 [おし、つり、もらい] (さす)つき、/こころ”、さお、な”、ね”、め”目、め”芽、ゆび。 (さばく)うり、とり。 (ざめる)あお、きょう、め。 (さる)すぎ、たち、とり、ひき。 (しく)くみ、ちり、ふり。 (しずむ)うち、なき、ふし。 (しばる)くい、ふん”。 (しまる)とり、ひき。 (じみる)あか、あぶら、きちがい、しょたい。 (しめる)かみ、だき、にぎり、ふみ。 (しる)おもい、み。 (すがる)おい、とり、より。 <すぎる>で、ね、ゆき。   [とおり、いい、し、たべ、やり、など多数] (すごす)きき、ね、み、やり。 (すてる)いい、かき、かなぐり、きり、とり、なげ、ぬぎ、のり、ふり、み。 (すます澄)おこない、きき、とり、み。 (ずる)ひき、/うわ。 (そう)つき、つれ、より。 <そこなう>いい、し、しに、み。[うけ、かい、かき、たべ、とり、よみ、やり] <そこねる>[いい、いき、かい、かき、し、たのみ、たべ、とり、もらい、やり] <そびれる>[いい、ね、いき、かい、かき、し、たのみ、たべ、とり、もらい] (そろう)さき、で。 <そんじる>[かき、し、やり] (たえる)しに、/と”。 (たおす)おがみ、かり、くい、なぎ、のみ、はり、ふみ。 (たくる)ひっ、ぶっ、ふん”。 <だす>あみ、いびり、うかれ、うき、うけ、うち、おい、おっぽり、おびき、お もい、かい、かき掻、かき書、かぎ、かけ、かし、かり、きき、きり、くみ、くり、 け、さし、さそい、さらけ、し、しめ、せり、そめ、つかみ、つき、つくり、つけ、 つまみ、つみ、つり、つれ、とび、とり、なき、なげ、ぬき、のり、はい、はき掃、 はき吐、はじき、はみ、はり、ひき、ひねり、ひり、ふき、ふみ、ふり、ほうり、 ほき、ほり、み、めし、よび、わり。 (ただす)きき、とい。 <たつ>いきり、うき、おもい、おり、きおい、きり、そそり、たけり、つっ、つ れ”、とび、なり、に、にえ、ひき、ふるい、もえ、ゆき、わき、/あわ”粟、あ わ”泡、うきあし”、おじけ”、おぞけ”、おもて”、かしら”、かど”、きわ”、 けば”、さき”、さっき”、す”、そうけ”、そば”、たび”、つの”、つのめ”、 つぶ”、つま”、つまさき”、とげ”、なみ”、はら”、ひ”、ふしくれ”、みみ”、 め芽”、め目”、やく”、よう”、/あら”、いら”、おも”、さか”、よ”。 <たてる>あらい、いい、うめ、おい、かき書、かき掻、かざり、かぞえ、かり、 くだき、くみ、け、さし、し、せがみ、せき、せめ、せめ、つき、つくり、つっ、 つみ、とり、ならべ、に、ひき、ひっ、ふり、ほめ、まくし、み、もうし、もり、 /あわ”、かど”、さき”、しょうこ”、つま”、やく”、よう”、/あら”、い ら”、さか。  [さわぎ] (たれる)あく、あまっ、うな”、しお、しみっ。 (ちがう)いれ、かけ、くい、すれ、とび。 (ちがえる)さし、け、とり、ね、はき、み。 [いい、きき] (ちらす)あたり、おい、かき、くい、とり。 (つかう)き”、こき。 <つく>い、いて、おい、おち、おもい、かじり、かぶり、かみ、からみ、かんが え、くい、くみ、くらい、こげ、こびり、さび、しがみ、しゃぶり、すみ、とっ、 とび、とり、なき、に、ね、はり、ひっ、ふるい、へばり、むすび、もえ、やき、 ゆき、より、わずらい、/いき”、いろ”、うわ、えん”、おぞけ”、かた”、か ん”、き”、きず、こころ”、たて、ちから”、どく”、ぬか”、ね”、ひざま”、 もと”、/ちか、/こ”。 (つぐ)あい、うけ、とり、ひき。 <つくす>いい、たち。[かき、よみ、たべ、み、し、しり、やり、など多数] (つくろう)とり、み。 <つける>いい、いため、いり、うけ、うち、うみ、うり、おおせ、おさえ、おし、 おち、おどし、かき、かぎ、かけ、かさり、き、きき、きざみ、きめ、きり、くっ、 こぎ、さし、し、しかり、しばり、しめ、すい、すえ、すり、せめ、そなえ、たき、 たたき、つき、てり、とき、とり、なぐり、なげ、なすり、なで、に、にらみ、ぬ り、のり、はね、はり、ひき、ぶ、ふき、ふみ、ふん”、まち、み、みせ、むすび、 もうし、やき、ゆわえ、よせ、よび、わり、/あと”、いち”、いんしょう”、う ら”、えん”、かた”、かんけい”、きず、きそ”、こじ、こと”、ちから”、な”、 /ちか”。 <つづく>うち、ひき。  [なり、ふり、ふき] (つぶす)くい、すり、にぎり、のみ、もり。  [おし、たたき、ふみ] (つぶれる)のみ、よい。 (つまる)おし、に、ゆき”、/いき”、て”。 (つめる)おい、おし、おもい、きり、くい、せんじ、つき、とい、に、のぼり、 はり、み。 (つもる)ふり、み。 (つれる)うち、ひき。 (でる)うかれ、うき、さし、とどけ、とび、ぬきん、ねがい、はい、はみ、まか り、もえ、もうし、ゆるぎ。  [あふれ、うかび、しゃしゃり、とどけ、わき] <とおす>おし、さし、たて、のり、み。  [おし、あるき、がんばり、だまり、 つき、つらぬき、はしり、やり、よみ] (とおる)しみ、すき、つき、まかり。 (とがめる)きき、み。 (とげる)し、そい、なし、やり。 (とどける)きき、み。 (とどまる)おもい、ふみ。 (とばす)うり、け、けっ、つき、なぐり、はり、ふき。 [かき、なげ、はね、 ぶっ、わらい] (とまる)おもい、たち”。 (とめる)い、うけ、うち、かき、くい、けし、さし、し、せき、だき、つき、ろ り、ひき。 (とる)いけ、うけ、うち、かき、かり、きき、きり、くみ、すい、だき、ぬき、 ね、のっ、ひき、み、めし、よみ、/みて、/あいて”、あや”、いろ”、え”、 かた”、き”、くま”、け”、じん”、つかさ”、つま”、てま”、とし、ひ”、 ひま”、ぶん”。 <なおす>いい、そめ、たて、で、とり、ねり、み、もち。[あらい、かき、かんが え、きき、し、しらべ、つけ、ぬり、やり] (なおる)い、たち、ひらき、むき。 (ながす)うけ、かき、きき、よみ。  [あらい、おし、たれ] (なぐる)かき、ぶん。 (なす)おり、すみ、つくり、とり、み、/なく。 (なやむ)のび、ゆき。 (ならす)かき、ふみ。 (ならぶ)い、たち。 (なれる)すみ、み、/て、みみ、め、もの、/よ。[あつかい、かき、き、つかい、 のり、はなし、やり、よみ、/たび] <ぬく>うち、おい、かき、かち、くり、しり、そめ、だし、つき、はしり、ひき、 ふみ、み、/うろ、すっぱ、ひっこ。[がんばり、こまり、たえ、たたかい、まもり、やり] (ぬける)きり、すり、つき、/あか、/ず、ずば。[かけ、とおり、はしり、ふき] (ぬれる)なき、/しょぼ、そぼ。 <のがす>[きき、とり、み] (のく)たち、とび、ひき、/とお。 (のける)おし、つき、とり、はね、はらい、ひき、/とお。 <のこす>おもい、かき、とり。    [し、やり、たべ、のみ] (のこる)あけ、きえ、くれ、さき、ちり。 (のびる)いき、おち、にげ。 (のべる)くり、さし。 (のぼる)さし、せめ、たち、よじ、/さか。 (のめす)うち、つん、ぶち。 <はじめる>[アスペクトの用法 非常に多数] (ばしる)あかみ、かん、くち、さい、さき、さや、ち、にがみ。 (はずす)きき、とり、のり、ふみ。 (はたす)うち、つかい。 <はてる>きえ、くち、たえ、なり、み。  [あきれ、こまり、つかれ] (はなす)きり、つき、つっ゜、とり、ひき、ぶっ゜、ふり、み、/て”。 (はなつ)いい、とき、ぬき、ふり。 (はなれる)かけ、とび、/よ”。 (はやす)ほめ、もて。 (はらう)あけ、うち、うり、おい、おっ゜、きり、し、で、とり、なぎ、ひき、や き、よっ゜。 (はる)いい、つっ゜、で”、でっ゜、ひっ゜、ふん”、み、/いき”、かく”、 かくしき”、かさ”、かど”、き”、ぎしき”、げす”、けんしき”、しかく”、 しゃちこ”、しゃちほこ”、しゃっちょこ”、すじ”、ぶ”、ほお”、ほね”、 よく”、/こわ”、/がん”、でしゃ”。 (ひく)さし、さっ゜、わり”、/ま”、みち”、ゆ”、ゆみ、/なが”、/しょっ゜、 しょ”、たな”。 (ひろげる)くり、とり。 (ふす)つっ゜、なき、/うつ”、/ひれ。 (ふせる)きり、くみ、とき、なぎ、ねじ、/うつ”。 (ふる)わり、/いた”、/ゆす”。 (ぼける)ね、ふる。 (ほこる)かち、さき。 (ほす)くみ、のみ。 (ほれる)おい”、きき、み。 (まく巻)とり、/いき、うず、/さか。 (まく撒)ふり、/ばら。 <まくる>[あそび、あつめ、いい、かき、たべ、のみ、やり] (まじる)いり、たち。 (まぜる)かき、こき、とり。 <まちがう> <まちがえる> (まどう)にげ、/と。 <まわす>おい、かき、きり、くり、こづき、さし、つけ、とり、のみ、のり、ひき、 ひねくり、ひねり、はり、ふり、み。 <まわる>かけ、たち、で、とび、のたうち、ふれ、み、/もって、/うわ、した。 (みだす)かき、とり、ふり。 (みだれる)いり、さき。 (みる)かえり、/うち、/かいま、ゆめ。 (むかう)たち、/て、は。 (むく)で、ふり、み、/あお、うつ。 (むける)さし、し、めじ、ふり、/あお、うつ。 (むすぶ)きり、とり。 (めす)おぼし、きこし、しろし。 (もつ)うけ、とり。 (もどす)かい、さし、つき、とり、はらい、よび、わり。 (もどる)たち、まい。 <もらす>[いい、きき、かき] (やぶる)うち、け、つき、ふみ、み、よみ。 <やむ>なき、なり、ふき、ふり、わらい。 (やる)おし、おもい、かい、み。 (ゆく)おち、たち、/こころ。 (よせる)うち、おし、おびき、すい、せめ、とり、めし、よび、/かた、こと、/ ちか。 (よる)あゆみ、いい、しのび、すり、たち、つめ、にじり、もち、/かた、とし、 /ちか。 (わける)おし、かき掻、かき書、きき、そめ、つかい、とり、ひき、ふき、ふみ、 ふり、み、より。 <わすれる>ね、み。  [いい、いれ、おき、かい、かき、きき、けし、し、しま い、しらべ、だし、とり、はなし、はらい、よび、など多数] <わたす>あけ、いい、さげ、ひき、み、もうし、ゆずり。[うり、なげ] <わたる>あけ、すみ、とび、なり、はれ、ゆき。 [ひびき]
(2) あと要素が独立しないもの
(かう)とび、ゆき。 (かねる)たまり、まち、み、もうし。[いい、おしえ、わかり、など多数] (さす)かき、のみ、よみ。 [いい] (しきる)なき、ふり。   (とりしきる、は別) <そびれる>いい、ね。[いき、かい、かき、し、たのみ、たべ、とり、もらい] (そめる)なれ、み。 (ちゃける)あか、あかっ、しら、しらっ。 (つかる)いい、こと”。
(3) 接尾語のついたもの
(かす)あまや、うっちゃら、おちゃら、おびや、すっぽ、そびや、たま、とがら、 とんがら、はぐら、はね、ひけら、ひや、ほったら、まぎら、みせびら、やら。 (がる)ありがた、あわれ、いとおし、いとし、いや、うれし、おし、かわい、きょ う、くやし、けむた、こわ、つう、にく、ほし、よ。[感情・感覚形容詞多数] (くる)こね、せせ、ぬた、のた、ひね、ほじ。 (げる)あらら、こそ、ばか、ひょう。 (つく)いちゃ、うろ、がさ、がた、がちゃ、がっ、きら、ぎら、ぐず、ぐら、こせ、 ごた、ごちゃ、ごて、ごろ、ごわ、ざら、ざわ、じと、じめ、しょぼ、じゃら、そわ、 だぶ、ちら、ぬら、ねば、ぱく、ばた、ばら、ぱら、びく、ひょろ、ひり、ふら、ぶ ら、べた、べと、まご、むか、もた。 (ばむ)あか、あお、あせ、かれ、き、くろ、けしき、しろ、すす。 (びる)おとな、ひな、ふる、ひから、あら。 (びれる)うら、わる。 (ぶる)つう、ていさい、/ゆさ。 (ぶれる)うら、/おち。 (めかす)うご、ひら、ほの。 (めく)あき、あだ、いろ、つや、とき、はる、/なま、/うご、きし、きら、くる、 ささ、さざ、ざわ、さんざ、とき、どよ、はた、ひし、ひら、ほの、ゆら、よろ。 (やぐ)はな、/わか。 (らぐ)うす、やす、やわ。 (わう)あじ、にぎ。 ▽この「あと要素が独立しない」ことと、「接尾語」であるかどうかの判断がどういう 基準によるのかは、『動詞・容詞問題語用例集』には書いてありません。  これで複合動詞のリスト作りを終わります。 主要目次へ 「26.複合動詞」へ